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クラスター共有ボリューム (CSV) におけるフェールオーバー ポリシーの既定値について RRS feed

  • 質問

  • こんにちは。Windows Commercial Storage & High Availability チームです。

    今回は、クラスター共有ボリューム (CSV) におけるフェールオーバー ポリシーの既定値についてご紹介いたします。

     

    CSV は、Windows Server 2008 R2 以降の Windows Server Failover Clustering (WSFC) に搭載されている、1つの論理ボリュームに対して複数のノードからアクセスが可能になる機能です。

     

    WSFC では、クラスター リソースの障害が発生した際の復旧処理に関連するポリシー (切り替え規則) を設定することができます。

    CSV に関しても同様であり、障害時にはポリシーに基づいて復旧処理が実行されます。

     

    ポリシー設定は、クラスター グループの復旧処理に関する設定と、クラスター リソースの正常性チェックや復旧処理に関する設定があります。

    # 本投稿では、前者を「クラスター グループのフェールオーバー ポリシー」、後者を「クラスター リソースの

    フェールオーバー ポリシー」と表記します。

     

    通常、クラスター リソースおよびリソースが紐づいているクラスター グループは、プロパティ画面または

    PowerShell のコマンドレットから設定を確認 / 変更することができます。

     

    しかしながら、CSV は通常のクラスター リソースとは異なり、ポリシー設定について操作可能な GUI 用意されておりません。

    また、CSV に対して、クラスター リソースのフェールオーバー ポリシーを確認/変更するための PowerShell

    コマンドレットについても用意されておりません。

    # 現在非推奨となった cluster コマンドを用いた場合は、クラスター リソースのフェールオーバー ポリシーを

    確認/変更 することが可能でございますが、上述の内容からも言える通り、CSV に関するフェールオーバー

    ポリシーの設定を変更することは推奨いたしません。

     

    クラスター グループのフェールオーバー ポリシーとクラスター リソースのフェールオーバー ポリシーの既定値は

    下記の通りです。

     

     

      クラスター グループのフェールオーバー ポリシーの既定値


    [ポリシー] 指定した期間内の最大エラー数
    [パラメータ] FailoverThreshold
    [通常のクラスター リソースの既定値] クラスターノード数 - 1 (4294967295 (0xffffffff))
    [CSV の既定値] クラスターノード数 - 1 (4294967295 (0xffffffff))
       
    [ポリシー] 期間
    [パラメータ] FailoverPeriod
    [通常のクラスター リソースの既定値] 6:00:00 (6 (0x6))
    [CSV の既定値] 10:00 (600000 (0x927c0))
       
    [ポリシー] フェールバック
    [パラメータ] AutoFailbackType
    [通常のクラスター リソースの既定値] フェールバックを禁止する (0 (0x0))
    [CSV の既定値] フェールバックを禁止する (0 (0x0))

     

    ▼ [コラム] クラスター グループのフェールオーバー ポリシー「期間」について
    クラスター グループのフェールオーバー ポリシー「期間」については単位が時間であるため、CSV の既定値は
    600000 時間のように受け取れますが、「FailoverPeriod」が「1000」より大きい値の場合、「ミリ秒」として扱います。
    そのため、CSV の「FailoverPeriod」は 600000「ミリ秒」、すなわち「10 分」となります。
     
    なお、通常のクラスター リソースは FailoverPeriod は設定可能な上限値が 1193 となっておりますため、
    本来は 600000 (10分)は設定することができません。
    一度設定をご変更いただきましたら、1193 よりも大きい桁の数字をご設定いただくことはできませんので
    ご留意ください。

     

     

     

      クラスター リソースのフェールオーバー ポリシーの既定値


    [ポリシー] リソース エラーの対応
    [パラメータ] RestartAction
    [通常のクラスター リソースの既定値] リソースが失敗状態になった場合は現在のノードで再起動を試みる (=2 (0x2))
    [CSV の既定値] リソースが失敗状態になった場合は現在のノードで再起動を試みる (=2 (0x2))
       
    [ポリシー] 再起動時間 (mm:ss)
    [パラメータ] RestartPeriod
    [通常のクラスター リソースの既定値] 15:00 (=900000 (0xdbba0))
    [CSV の既定値] 10:00 (=600000 (0x927c0))
       
    [ポリシー] 指定期間内での再起動試行回数
    [パラメータ] RestartThreshold
    [通常のクラスター リソースの既定値] 1 (=1 (0x1))
    [CSV の既定値] 1 (=1 (0x1))
       
    [ポリシー] 再起動の遅延 (ss.f)
    [パラメータ] RestartDelay
    [通常のクラスター リソースの既定値] 0.5 (=500 (0x1f4))
    [CSV の既定値] 0.5 (=500 (0x1f4))
       
    [ポリシー] 再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをフェールオーバーする
    [パラメータ] EmbeddedFailureAction
    [通常のクラスター リソースの既定値] チェックあり (=2 (0x2))
    [CSV の既定値] チェックあり (=2 (0x2))
       
    [ポリシー] 再起動が全て失敗した場合は、指定した期間後にもう一度再起動を開始する (hh:mm)
    [パラメータ] RetryPeriodOnFailure
    [通常のクラスター リソースの既定値] 1:00 (=3600000 (0x36ee80))
    [CSV の既定値] 0:15 (=900000 (0xdbba0))
       
    [ポリシー] 保留タイムアウト (mm:ss)
    [パラメータ] PendingTimeout
    [通常のクラスター リソースの既定値] 3:00 (=180000 (0x2bf20))
    [CSV の既定値] 3:00 (=180000 (0x2bf20))
       
    [詳細ポリシー] 基本的なリソース正常性チェックの間隔 (mm:ss)
    [パラメータ] LooksAlivePollInterval
    [通常のクラスター リソースの既定値] 0:05 (=4294967295 (0xffffffff))
    [CSV の既定値] 0:05 (=4294967295 (0xffffffff))
       
    [詳細ポリシー] 完全なリソースの正常性チェックの間隔 (mm:ss)
    [パラメータ] IsAlivePollInterval
    [通常のクラスター リソースの既定値] 1:00 (=4294967295 (0xffffffff))
    [CSV の既定値] 1:00 (=4294967295 (0xffffffff))
       
    [詳細ポリシー] このリソースを別のリソース モニターで実行する
    [パラメータ] SeparateMonitor
    [通常のクラスター リソースの既定値] チェックなし (=0 (0x0))
    [CSV の既定値] チェックなし (=0 (0x0))

     

    ■ 補足1: cluster コマンドによるフェールオーバー ポリシーの既定値確認/設定方法

     

    ▼ 対象

    Windows Server 2008 R2  : 通常のリソース & CSV

    Windows Server 2012 以降: CSV

     

    cluster コマンドがない場合

    1. 該当サーバーにおいて、[サーバー マネージャー] より [役割と機能の追加] から下記をインストールします。

      機能:

      [リモート サーバー管理ツール] - [機能管理ツール] - [フェールオーバー  クラスタリング ツール]

     

    2. インストール完了後、管理者権限にてコマンドプロントを開き、cluster コマンドが利用できるかを確認します。

      > cluster

     

      結果:

      オブジェクトの種類を指定してください。

      正しい構文については、"CLUSTER /?" を参照してください。

     

     

    ▼ 手順

    管理者権限のコマンドプロンプトを起動し、下記のコマンドを実施します。

     

       ▽ クラスター グループのフェールオーバー ポリシー

        # クラスター グループの確認

         > cluster group

          # 確認

          > cluster group "<クラスター グループ名 / CSV の場合はGUID>" /prop

          # 変更

          > cluster group "<クラスター グループ名 / CSV の場合はGUID >" /prop <パラメータ>=<>

     

        クラスターグループ確認例 :

        リソース             グループ             ノード          状態

        -------------------- -------------------- --------------- ------

        Cluster Disk 1       使用可能記憶域              win2016-2       オンライン

        Cluster Disk 2       使用可能記憶域              win2016-2       オンライン

        Cluster Disk 3       使用可能記憶域              win2016-2       オンライン

        Cluster Disk 4       e507c80c-75af-4a55-9c28-c15abefc4706 win2016-2       オンライン <<< CSV

        クラスター IP アドレス    クラスター グループ           win2016-2       オンライン

        クラスター名                    クラスター グループ           win2016-2       オンライン

        ファイル共有監視             クラスター グループ           win2016-2       オンライン

        記憶域 Qos リソース         クラスター グループ           win2016-2       オンライン

     

          確認例 (CSV) :

          > cluster group " e507c80c-75af-4a55-9c28-c15abefc4706" /prop

          変更例 (CSV):

          > cluster group " e507c80c-75af-4a55-9c28-c15abefc4706" /prop RetryPeriodOnFailure=600000

     

       ▽ クラスター リソースのフェールオーバー ポリシー

          # クラスター リソースの確認

          > cluster res

          # クラスター リソースの確認

          > cluster res "<クラスター リソース名>" /prop

          # クラスター リソースの変更

          > cluster res "<クラスター リソース名>" /prop <パラメータ>=<>

     

          確認例:

          > cluster res "Cluster Disk 1" /prop

          変更例:

          > cluster res "Cluster Disk 1" /prop RestartPeriod=900000

     

     

    ■ 補足2: PowerShell コマンドレットによるフェールオーバー ポリシーの既定値確認/設定方法

     

    ▼ 対象

    Windows Server 2012 以降: 通常のリソース

    ※ CSV リソースについてフェールオーバー ポリシーを確認する場合は、補足1の手順をご参照ください。

     

    ▼ 手順

    管理者権限の PowerShell を起動し、下記のコマンドレットを実施します。

     

       ▽ クラスター グループのフェールオーバー ポリシー

          # クラスター グループ名の確認

          PS> Get-ClusterGroup

          # フェールオーバー ポリシーの確認

          PS> Get-ClusterGroup -Name "<クラスター グループ名>" | fl *

          # フェールオーバー ポリシーの変更

          PS> (Get-ClusterGroup -Name "<クラスター グループ名>").<パラメータ>=<>


          確認例:

          PS> Get-ClusterGroup -Name "FileServer" | fl *

          変更例:

          PS> (Get-ClusterGroup -Name "FileServer").FailoverPeriod=1

     

       ▽ クラスター リソースのフェールオーバー ポリシー

          # クラスター リソース名の確認

          PS> Get-ClusterResource

          # フェールオーバー ポリシーの確認

          PS> Get-ClusterResource -Name "<ラスター リソース 名>" | fl *

          # フェールオーバー ポリシーの変更

          PS> (Get-ClusterResource -Name "<ラスター リソース 名>").<パラメータ>=<>

     

          確認例:

          PS> Get-ClusterResource -Name "Cluster Disk 1" | fl *

          変更例:

          PS> (Get-ClusterResource -Name "Cluster Disk 1").RestartPeriod=900000

      

     

    いかがでしたでしょうか。本投稿が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。





    2019年6月25日 3:23
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